こんにちわ。かつおです。ごきげんいかかがですか。
私は、ふだんS&P500連動ファンドやダウ連動ファンドを継続的に積み立てておりますが、ここ最近になって個別の米国株式を購入したくてうずうずしております。米国株四季報なんかも購入してみたりしましたが、まだ読んでません(笑)。また、取引時間が夜間ということもありここ数日の間、パソコンの前に構えては、眺めているうちに寝落ちしております。そこで、自分自身への動機付けの意味も込めて、米国個別株式の業績分析を今後シリーズでやっていこうと思います。すごく時間ががかかるので、途中で挫折したらすみません。今回、第一回目の分析対象としたのは、よく優良ディフェンシブ銘柄といわれている「P&G」としました。
なお、本記事にて掲載されているデータは、米国の証券取引委員会u.s.securities and exchange commissionのEDGARにて公開されている、決算情報に基づき管理人にて加工しグラフや表を作成しております。日本でいうところの、金融庁の有価証券報告書の公開サイトに近いものです。誰でもデータ閲覧可能です。
1.損益の長期推移について
はじめに、売上高、営業利益、純利益、営業利益率について、2008年から11期分を見てみます。P&Gは6月が本決算となりますので、最新の2018年6月期までを図1に掲載します(参考までに、元データを表1に記載します)。ディフェンシブ銘柄だと言われる以上、リーマンションショック時からの業績を見た方がよいと考えたからです。推移を見る限り、2012年をピークにここ最近は売上は落ちていますが、営業利益は一定水準稼いでいるのがわかります。また、営業利益率についても現在は20%をキープしています。私が驚いたのは、リーマンショック後に業績が落ちる企業がたくさんあり、株式市場もものすごく冷え込んでいた時期だったはずですが、業績的には、特に利益面については安定的な印象を受けます。小売業がおおむね数パーセント程度位ですから、別格な利益率ですね。【図1.損益推移グラフ(画像クリックで拡大)】

【表1.損益推移】

【表1.損益推移】
単位:百万USドル | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
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売上 | 79,257 | 76,694 | 78,938 | 81,104 | 83,680 | 80,116 |
営業利益 | 15,979 | 15,374 | 16,021 | 15,495 | 13,292 | 13,817 |
当期純利益 | 12,075 | 13,436 | 12,736 | 11,927 | 10,904 | 11,402 |
営業利益率 | 20% | 20% | 20% | 19% | 16% | 17% |
単位:百万USドル | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
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売上 | 80,510 | 76,279 | 65,299 | 65,058 | 66,832 |
営業利益 | 14,740 | 11,790 | 13,441 | 13,955 | 13,711 |
当期純利益 | 11,785 | 7,144 | 10,604 | 15,411 | 9,861 |
営業利益率 | 18% | 15% | 21% | 21% | 21% |
さすがに、ディフェンシブ銘柄と言われるだけあり、生活に必要なものを世界的に販売している企業の強みというか、景気が悪くなろうがあまり影響を受けにくく、安定した業績を続けられる企業体質なのでしょう。ちなみに、日本が誇るものづくりのグローバル企業「トヨタ」は2009年3月期の決算で赤字でしたね。製造業は景気に左右されやすく、特にあの時は円高に大きく振れてましたから、海外で稼ぐ日本企業は大変な時期でした。
冷静に考えてみると、P&Gは洗濯用洗剤、シャンプー、おむつ、ひげそり等をはじめ、名前を聞けば「ああ、あれね」と誰もが知っている生活に根差した製品及びブランド力をもっています。景気が悪いから、洗濯やめようとか、ひげそりやめようとか、おむつやめようとかにはなりにくいですよね。しかも継続的に買い続ける傾向の強い商品です。一方で自動車の場合は、しばらく買い控えよう等の判断になるかもしれませんが。ちなみに、皆さんも身の回りの日用品にP&G製品が紛れてないか探してみてはいかがでしょうか?我が家の場合はP&G製品だらけで、その浸透率に逆に不気味さを覚えたくらいです。メーカーを意識して購入してたわけではないので。
強力なブランド力や販売網などにより、今後も安定的に利益を出し続けていく可能性が高いのではないかと考えます。当然、安定して利益を稼げるということは継続して配当を出し続けることが可能であるということなので、投資家側も配当再投資により資産の最大化をゆっくりと目指せるのではないでしょうか。冷静に考えてみると、P&Gは洗濯用洗剤、シャンプー、おむつ、ひげそり等をはじめ、名前を聞けば「ああ、あれね」と誰もが知っている生活に根差した製品及びブランド力をもっています。景気が悪いから、洗濯やめようとか、ひげそりやめようとか、おむつやめようとかにはなりにくいですよね。しかも継続的に買い続ける傾向の強い商品です。一方で自動車の場合は、しばらく買い控えよう等の判断になるかもしれませんが。ちなみに、皆さんも身の回りの日用品にP&G製品が紛れてないか探してみてはいかがでしょうか?我が家の場合はP&G製品だらけで、その浸透率に逆に不気味さを覚えたくらいです。メーカーを意識して購入してたわけではないので。
2.フリーキャッシュフローについて
次にキャッシュフローについてみてみます。図2は、営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いた、フリーキャッシュフローの推移を11期分記載しております。また、現預金の期末残高も掲載しております。安定した営業キャッシュフローがあることが見て取れるとともに、投資についても一定の範囲で安定して行われているようです。【図2.フリーキャッシュフロー(画像クリックで拡大)】

損益の方で、安定した利益を出し続けられているため営業キャッシュフローが安定するのは当然ですが、投資も一定の範囲で収まり、自由になるキャッシュが潤沢かつ安定期なのはよい傾向だと判断します。財務キャッシュフロー側で、配当にまわせる分が十分確保できるわけですから、株主からすれば期待感がもてます。ただし、経営者側が増配してくれるかは別ですが。幸い、P&Gは連続増配をしてくれており株主をとても大事にしていると言えます。日本企業は、業績が悪くなるとすぐ無配にしたりする傾向があり、責任を取らされる経営者も少ない印象を受けます。現状のキャッシュフローの状況を見る限りでは、好循環なサイクルができているようです。
3.バランスシートの状況はどうか
続いて財務状況について見てみましょう。いわゆるバランスシート(以下「BS」と表記)ですが、各年度のものを図3にて図であらわしております。BSは表でみるととてもわかりづらいもので、見慣れない方だとよく意味が分からないと思います。簡単に説明すると、左側が資産(流動資産・固定資産)で、右側が負債(流動負債・固定負債)と株主資本の合計となります。左画の資産を、どうやって調達したかを右側があらわしていると覚えるとよいでしょう。【図3.バランスシート推移(画像クリックで拡大)】

さて、P&GのBSですが、2014年ごろまで大きくなっていますね。安定して利益がでているため、株主資本の中にある、利益剰余金(いわゆる内部留保)も積みあがっていきますので自己資本比率も上がっていっているようです。2015年以降、BSのサイズが縮んでいっていますが、なんでかなとわかる範囲で調べてみたところ、自社株買いを進めており株主資本を減少させていることが原因ではないでしょうか。自社株買いで、株主資本の部でマイナス計上が増えており、同時に流動資産側も減少しておりましたので。自社株買いは、株主還元の意味合いもあるのでこの点でも、株主を大事にしていると言えるのではないでしょうか。一方で、資本効率を高めるという経営判断もあるのかもしれませんが。
4.株価と業績の関係はどうだったか
最後の分析になりますが、ただ業績だけをみていても面白くないので、株価との関係や株価自体の推移について見ていきたいと思います。図4は、純利益推移と株価推移を2軸で並べてみた図となります。ご注意いただきたいのは、双方に相関があるとかないとかを申し上げたいわけではない点です。利益と株価は基本的には連動するとは思いますが、相関関係がどの程度あるのか統計学に明るくないのでわかりません。ただ、興味深い点は、リーマンショック時においては株価は下がっていたわけですが、その前後の業績自体は悪くなかったことです。業績よくても株価はさがるんだなと痛感します。この時はまさに良い銘柄が割安に放置されていたといえますね、後から見たら誰でも言えることですが(私が偉そうにいうことでもありません、すみません)。【図4.純利益と株価推移(画像クリックで拡大)】
※株価は米国Yahoo financeを参照しグラフ作成。

次に、リーマンショックを踏めた過去10年間で、S&P500、日経平均 とリターン比較してみました。図5がその内容となります。日経平均のダメっぷりは置いといて、P&Gも当然リーマン時において下落は免れませんでしたが、他と比べ下落率は相対的に低く、ディフェンシブ銘柄と言えそうです。なお、その後のリターンについては、S&P500の方がよく見えますが、配当を再投資し続けていたらかなりいい線をいっていたのではないかと推察します。
【図5.株価比較推移(画像クリックで拡大)】
[出所:Trading Viewにてチャート作成)]
※Trading Viewでは条件を満たせば
チャート掲載が許可されています。

5.まとめ
いかがでしたか?業績について推移で分析をしてみましたが、私個人の感想としては、P&Gは優良なディフェンシブ銘柄ではないかと思えます。アップル・グーグル・Amazon等と比べ、人気はなさそうなで退屈そうなイメージはあるが、優良なディフェンシブ銘柄を配当を再投資しながら継続して購入していくことの方が長い目で見て成果がでそうな気がしました。しかしながら、これは過去の実績を見てそう思えるだけで、将来どういったリスクがあるかはわかりません。場合によっては、ブランド力の低下等により業績が悪くなる可能性が絶対ないとも言い切れませんので、これはあくまでも私個人の見解であるということにご留意ください。投資は自己責任でお願いいたします。最後までお読みいただきありがとうございました。
