こんにちわ。かつおです。ごきげんいかかがですか。
本日は「ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)」(以下、J&Jと表記)の業績推移を評価します。
J&Jは、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューブランズウィックに本社を置く、製薬、医療機器、その他のヘルスケア関連製品を取り扱うグローバル企業です。日本法人サイトの会社案内によれば、創業者 ロバート・ウッド・ジョンソンが兄弟2人と合わせて3人で、1886年に創業したそうです。
社名の由来は、ジョンソン一家が複数人いるから、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」なんでしょうか。そうなると、創業者を含め計3人ともジョンソン一家ですが、1名分足りない気がしますが、長くなるからやめたのでしょうか。
私達一般消費者になじみのある製品としては、バンドエイド、口腔洗浄液のリステイン、コンタクトレンズのアキュビュー等があります。管理人は、日頃からバンドエイドも使用しますし、コンタクトはアキュビューオアシスを使用していますが、最近までバンドエイドは日本企業が製造しているものだと勘違いしておりました。生活に溶け込みすぎるくらい、世界に広く製品が浸透しています。
19世紀から続く企業ということで創業100年を超えており、医療界の老舗的な世界企業ですが、業績的にはどのような顔が見えてくるのか調べてみました。
本記事にて掲載されているデータは、米国の証券取引委員会u.s.securities and exchange commissionのEDGARにて公開されている、決算情報に基づき管理人にて加工しグラフや表を作成しております。日本でいうところの、金融庁の有価証券報告書の公開サイトに近いものです。誰でもデータ閲覧可能です。
売上高、営業利益、純利益、営業利益率ですが、2007年から11期分を図1にまとめました。売上高緩やかに右肩上り、あるいはここ数年は横ばいとも言えます。利益については、少しずつ増えている様子で、一定水準で安定しています。営業利益率は、最近では25%へ落ちてはいますが、それで十分高い利益率であり、継続して高利益率を維持しています。
【図1.損益推移グラフ(画像クリックで拡大)】


リーマンショック直後の時期についても、安定した業績で推移しており、医療やヘルスケアという性質上、景気に左右されにくい業態と考えられます。この点は、投資対象として考える場合にとても重要な点だと考えます。安定した業績を継続できるということは、継続的に配当が出され、株主側も安心して投資できるでしょうし、株価が下がっていたとしても一時的なものだと信じることができそうです。
なお、1株当たり配当や純利益の直近推移を表1に記載します。1株純利益は、ほぼ安定しており、配当は増配を継続しています。
【表1.一株当たり純利益及び配当推】
【表1.一株当たり純利益及び配当推】
単位: USドル |
2007年 12月期 |
2008年 12月期 |
2010年 1月期 |
2011年 1月期 |
2012年 1月期 |
2012年 12月期 |
2013年 12月期 |
2014年1 2月期 |
2016年 1月期 |
2017年 1月期 |
2017年 12月期 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1株当り利益 | 3.63 | 4.57 | 4.40 | 4.78 | 3.49 | 3.86 | 4.81 | 5.70 | 5.48 | 5.93 | 0.47 |
1株当り利益配当 | 1.62 | 1.80 | 1.93 | 2.11 | 2.25 | 2.40 | 2.59 | 2.76 | 2.95 | 3.15 | 3.32 |
配当性向は、本期間では平均50%台となっており高いです。増配傾向とあわせて考えると、株主還元志向が高い企業と言えるのではないでしょうか。
2.フリーキャッシュフローについて
【図2.フリーキャッシュフロー(画像クリックで拡大)】

利益水準が安定しているため、フリーキャッシュフローにも余裕がありますね。期末現預金残高も一定水準を維持しておりキャッシュが潤沢と言えそうです。ただ、医薬品関係とうことから、製品リコールや賠償といったリスクもあるので、キャッシュは多めに漏っておきたい意向もあると推測します。

利益水準が安定しているため、フリーキャッシュフローにも余裕がありますね。期末現預金残高も一定水準を維持しておりキャッシュが潤沢と言えそうです。ただ、医薬品関係とうことから、製品リコールや賠償といったリスクもあるので、キャッシュは多めに漏っておきたい意向もあると推測します。
3.バランスシート(財務状況)はどうか
【図3.バランスシート推移(画像クリックで拡大)】


最後までお読みいただきありがとうございました。投資は自己責任でお願いします。

増配を行なっていますが、株主資本の部が高めであり、割と内部留保は高めな印象を受けます。まだ、配当余力はありそうですし、自社株買いなど株主還元を行なうこともできそうではありますが、経営方針として財務体質も厚めにしておきたい意向があるのではと推測します。さすがに100年超の事業継続を行なってきただけあり、健全な財務体質ではないでしょうか。
4.株価はどうだったか
【図4.株価推移(画像クリックで拡大)】
※[出所:Trading Viewにてチャート作成)]Trading Viewでは条件を満たせばチャート掲載が許可されています。

リーマンショック時はそれなりに下落していますが、下落幅は相対的に抑えられています。生活用品や、医療関係製品を展開しているため、業績不振になりづらい事業内容だと考えられ、ディフェンシブな銘柄だと言えそうです。ディフェンシブとは言いながらも、その後のリターンには目を見張るものがあります。
実際、当時の業績は悪くありませんでしたので、市場の総悲観な雰囲気に巻き込まれ売られてしまったと想像します。ただ、後から振りかえってみたら、そのように言えるだけで、今リーマンショックのような暴落がきたら、この銘柄を信じて果敢に買うことや保有を続けることができるかは、私個人としては難しいところです。当時に、買い迎えた人や保有し続けた人はすごいなと感じます。
5.まとめ
J&Jは、業績が安定しており不景気にも強くディフェンシブな銘柄という印象です。財務体質も健全な部類に入るのではないでしょうか。事業分野が医薬品と言う点から、製品リコール、賠償などのリスクが読みづらい点は、気をつけたほうが良さそうですが。ただ、管理人の個人的な印象では、この会社はそういったリスクを乗越えるだけの底力があるように思え、応援したい企業に思えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。投資は自己責任でお願いします。