こんにちわ。かつおです。
最近、ランキング上位で見かけるようになった、日興アセットマネジメントが運用するグローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)の評価記事です。
なんか、ネット界隈では最近話題?みたいなので、パフォーマンスを中心に調べてみました。特に相場全体の上昇局面や下落局面でどう動いたかを調べてみました。率直にすごいなと感心したので取り上げてみました。
仕組みは、ちょっと理解するのに時間がかかっちゃいましたけど。こういうインデックスファンドの運用もあるんだなって、個人的に勉強になりました。
興味がある方はお読みください。
コロナショック時の下落率とかを調べてみました。
- ファンド概要
- 運用の特徴は?
- 手数料等のコストは?
- 基準価額と純資産推移
- 設定来から他ファンドと比較
- 期間別の特徴を調べた
- 気にとめておきたいこと
- どんな人にむいている?使いどころは?
- グローバル3倍3分法ファンドは買いか?
- 所感
ファンド概要
日興アセットマネジメントさんが、2018年10月4日に設定したファンドです。グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)ですが、別に隔月分配型も用意されています。本記事では、1年決算型についてご紹介します。概略は下表のとおりです。
分類 | 資産複合型(バランスファンド) |
---|---|
投資地域 | グローバル (含む日本) |
投資形態 | ファンド・オブ・ ファンズ |
信託期間 | 2028年9月21日まで(2018年10月4日設定) |
信託金限度額 | 1兆円 |
決算頻度 | 年1回(9月) |
バランスファンドに分類され、後述しますが基本的にはインデックス運用で、先物運用を取り入れています。この先物運用部分が、三倍というコンセプトやネーミングの肝となる部分です。
運用の特徴は?
概略
販売資料や、目論見書、特設サイトの紹介動画集を見て、私が理解した内容を記載します。まずは三倍三分法の言葉の意味ですが、
三倍は、リスクリターンが三倍になるという意味でないと解説されています。同じ投資元本でも、三倍の元本を入れているのと同じ効用があるという意味とのこと。
三分法は、株式、リート、債券の3つの資産クラスに投資をすることから由来がきています。
基本的には、バランス型のインデックスファンドなのですが、先物を活用することで、株式並のリターンを目指しながらも、株式よりはリスクは押さえるというのがポイント。単なるインデックスファンドのバランス型と異なり、この点が本ファンドの付加価値です。
ちなみに、パンフレットを読むと、インデックスファンドの低コスト化や、インデックスファンドが最適解とする最近の風潮に、一矢報いたい?商品コンセプトだそうです。
三倍三分法をもう少し解説
解説動画と販売資料から勉強し、運用の方法を図でまとめてみました。
ファンドの80%を株式とリートに現物投資(株式40%、リート40%)します。残り20%は現金として残します。
さらに、この現金20%の一部を活用(全部ではないとのこと)し、先物へ投資を行うこととなります。
特徴的なのは、先物部分で投資するのは、日本株式と債券である点です。しかも、債券への投資比率が高い形となっています。先物部分で、証拠金として現金を活用しレバレッジをきかせており、結果として投資元本の3倍相当の運用していることとなっているのが特徴です。これが、3倍の由来です。商品の性質上、リスクやリターンが3倍と言う意味ではないとのこと。
全体で見ると、債券部分が大きくなり、株式並みのリターンを狙いながら、リスクは株式よりは抑えるという狙いを実現しようとしています。なお、現物投資の株式とリート部分は、インデックス運用です。なので、バランスファンドにひと工夫加えた仕組みとなっています。
じゃあ、ふつうのインデックスファンドと比べてリスクはどうなのか?と言うと、解説動画や、パンフレットにおいては、「ふつうのバランスファンドよりは、リスクは高め」と解説されていました。
より詳しく知りたい場合は、日興アセットマネジメントさんの特設サイトで、動画解説をご覧下さい。短編動画がいくつもあり、コンパクトかつ丁寧に解説されています。
特設サイトは以下のリンクよりいけます。
余談ですが、このファンド名を初めて聞いた時、管理人は3倍と聞いて、
これが
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
これになるイメージを妄想してました。
昭和世代の某アニメですね。ぱちもんの自作絵です。エクセルで描きました。あのアニメにインスパイアされてイメージを描きました。すんません。
手数料等のコストは?
海外株式、国内外リートは現物運用ですが、インデックスファンドなので、手数料は良心的な水準です。特別な運用を組み入れることを、付加価値としているためか、今時の超低コストバランスファンドと比べると、相対的には高めなのですが、高すぎるかというと、それほどでもない印象です。低い方じゃないでしょうか。
購入時手数料 | 購入時の基準価額に対し税別3%以内 ※販売会社が定める 。無料の証券会社もあり。 |
---|---|
信託財産留保額 | なし |
信託報酬 | 純資産総額に対し年率0.44%(税別)程度 |
購入時手数料は、楽天証券などのネット証券では、ノーロードで販売されています。個人的には、運用の手間がありそうなのに、0.4%台なら、付加価値を考えると個人的には、許容範囲内かなと感じます。
基準価額と純資産推移
続いて、パフォーマンスの方を見ていきたいと思います。まずは、本ファンドの基準価額の推移と純資産額の推移をグラフに記載します。
基準価額は右肩上がりとなっています。目を引くのは純資産額の伸びです。1年間の間で、急激に伸びています。人気がうかがい知れます。
率直にすごいなと感心しました。私、最近までこのファンドのこと全く知りませんでした。この業界って新しいファンドが誕生しまくり、最近情報についていけないです私・・・・。難しいのもいっぱいあるし。
設定来から他ファンドと比較
続いて、他のファンドを購入した場合と比較してどうなのかを調べてみました。比較先は、低コストで定評のあるeMAXIS Slimシリーズを購入してた場合と比較してみたいと思います(国内リートと先進国リートはeMAXISの方を使いました。)。
本ファンドの設定来からの騰落率と、eMAXIS Slimシリーズの各資産クラスとの比較をしてみました。
本ファンド、バランス型なのに他の資産クラスのファンドより高リターンとなっていました。2018年末から2019年初頭にかけての下落相場においても、大きく落ちることなく、うまく立ち回っていたと言えます。
ちなみに、国内リートが一番リターンが良かったことになりますが、なぜかはわかりません。今後、はじけなきゃいいけどと心配してます。
参考までに、集計期間における最大値と最小値を以下のグラフに記載します。
本ファンドは、株式並みのリターンを目指しながら、株式のリスクよりは低めたいという方針を、現状実現できているのかなと思えました。先物部分の債券比率の高さが、効果を発揮しているのでしょうか?
素直に、凄いなと感心した
期間別の特徴を調べた
もう少し深堀して調べたくなりました。相場の上昇時、相場の下落時に他の資産と比べてどういう動きをするのか調べて見たくなりました。
前提条件
下のグラフは、全世界株式ファンドの基準価額推移です。ここでも、eMAXIS Slimさんにご出場いただきました。世界全体で上昇基調と下落基調の時期を見つけたかったからです。
上昇期間を、2019年1月から5月(期間A)、下落期間を19年8月から9月(期間B)として、この期間毎に、比較してみました。
バランスファンドって上昇時も、下落時も緩やかなイメージがあるのでどういう動きをするのか気になったためです。
上昇局面(期間A)での比較
赤い折れ線が 、3倍3分法ファンドです。8資産均等型のバランスファンドと比べると高い上昇力です。しかし、純粋な株式クラスと比べると上昇力に差が出ています。でも、バランスファンドの位置づけでこの上昇力は高いものと考えます。
本期間における、騰落率の最大値と最小値をグラフ化したものが下図となります。比較的高い位置にいることがわかります。現物投資部分の株式やリートが寄与しているものと推測します。
下落局面(期間B)での比較
続いて、下落局面でどう動いたかです。それなりに下落は避けれれないですが、他資産クラスと比べて、抑えられている印象です。先進国債券程度くらいのように見受けられます。Slimシリーズより、信託報酬が高い分を考慮してもよく健闘しているのでは。
下落しにくく、上昇時は結構上がる。この特性が続くことで、前述の設定来騰落率の比較では、他を圧倒しているのかもしれません。
本期間の騰落率の最大値と最小値をグラフにしますと、以下の通りです。下落率は、8資産均等より抑えられています。
う~ん、なんか不思議なファンドですね。リスクを抑えながらリターンを高めることができるなんて。本当に死角はないんでしょうか?上手くいきすぎていて、逆に不安になります。先物を取り入れる仕組みが、肝なんでしょうね。解説動画では、画期的な仕組みといっていましたが、個人的にはよくわからないです。これから、さらに期間を経ていくと、どうなるか目を離せないファンドです。
気にとめておきたいこと
個人的に気になった点は、信託期限が10年と比較的に短いところかも。もし、運用スタイルが好調なら、もったいないですよね。早く終わっちゃうと。投資資金が10年後に帰ってきても、投資先をまた探すのにこまりますな。 まあ、延長されるかもしれませんが。
どんな人にむいている?使いどころは?
バランス型で安定した運用をしてもらいたい、けど、バランス型よりも少しはリターンが良くなってほしいという欲張りさんに向いているかもしれませんね。
ただ、使いどころは難しいですね。コアポートフォリオにおくには、信託期間が短いし。余裕のある投資資金を振り向けて、サテライト的に使うような感じになるのでしょうか。
グローバル3倍3分法ファンドは買いか?
ぶっちゃけ、わかりません。投資方針に納得できるなら、買い。よくわからないなら、止めておくとしかいいようがないです。私は、少額ですがとりあえず買いました。持ってみないと、わからないこともあるので。また、研究のため。
一年足らずで、あれだけの純資産額の増え方をしているので、人気があるのは間違いないでしょう。だから、悩ましいところですよね。また、信託報酬もそれほど高くないし。
なお、解説動画でも説明がありましたが、ベースがインデックスファンドなので急激な資金流入があっても、アクティブファンドと違って、運用効率が落ちるという心配はなさそうです。投資先がなくて困るということもなく、機械的に決められたインデックスファンドに投資していくので。
所感
運用会社さんも、色々な商品設計をして投資家にご提案をしてくれます。なかには、中身が難しいのも増えています。今回のようにインデックスファンドを使いながら、部分的にレバレッジ取引を混ぜたものとか、内容理解に苦労しました。
でも、日興アセットマネジメントさんの解説動画コーナーは気合入ってました。少しでも、理解してもらおうと、低コストなファンドなのにその姿勢には敬服しました。見すぎて、動画内の決め台詞「3倍3分法」って必ず最後に言うのが、脳裏から離れない・・・・(笑)。
最後までお読みいただきありがとうございました。投資は自己責任でお願いします。
3倍3分法!のキャッチコピーは頭に残る
そういえば、難しい内容のファンドと言えばこんなのもあります。
インデックス投資に彩りを加えるならこんなファンドもあります。