こんにちわ。かつおです。
大和投資信託さんのiFreeシリーズに、レバレッジファンドシリーズといったものがあります。今のところS&P500とNASDAQ100の二種類だけです。
以下の記事で、レバレッジ型のファンドで積立投資することが、投資アイデアとして紹介されていました。
月3万円の積立で億万長者になれる!? 田端信太郎が「iFreeレバレッジ」にガチツッコミ! | インベスタイムズ - マジメに面白く投資を考えるメディア
内容は、読んでてなるほどなと感じました。レバレッジ型というと、なんとなく短期投資で使うものというイメージを持っていたので、新鮮な印象をうけました。また、面白いアプローチだなとも感じました。
でも、にわかには信じがたい話だし、バックテストで良い結果といわれてもね~?実際よくわかんないしとも思いました。
そこで、運用開始後、実際にこのファンドに積立投資をしていたらどうなったのか、詳しく調べてみたくなりましたので、ご紹介します。過去一年分の基準価額データを使って、積立投資や一括投資の場合、どうなったかを計算してみました。
どんな結果になるのでしょうか?興味がわいた方は、ご一読ください。
- iFreeレバレッジの概要
- どこで買える?
- レバレッジ型の特徴
- レバレッジS&P500パフォーマンス検証
- レバレッジNASDAQ100パフォーマンス検証
- 一括投資してたら?
- このファンドの使い方
- まとめ
iFreeレバレッジの概要
本シリーズは現在のところ、S&P500とNASDAQ100の2種類のみ存在します。投資地域はアメリカということになります。その他の概要をまとめると下表のとおりです。設定後、ようやく1年程度が経過しております。
ファンド名 | iFreeレバレッジ S&P500 | iFreeレバレッジ NASDAQ100 |
---|---|---|
運用会社名 | 大和証券投資信託委託株式会社 | 大和証券投資信託委託株式会社 |
商品分類 | 株式ブル・ベア型 | 株式ブル・ベア型 |
投資対象 | その他(株価指数先物) | その他(株価指数先物) |
投資地域 | 北米 | 北米 |
為替ヘッジ | 有 | 有 |
販売手数料 | 2.00%(税別) | 2.00%(税別) |
信託報酬 | 0.90%(税別) | 0.90%(税別) |
信託財産留保額 | なし | なし |
設定日 | 2018年8月31日 | 2018年10月19日 |
信託期間 | 無期限 | 無期限 |
信託度額額 | 5,000億円 | 5,000億円 |
[出所:運用会社公開の目論見書より]
ネット証券のSBI証券や楽天証券でも購入時手数料がかかります。まだノーロード扱いにはなっていないようです。少し悩ましいですね、購入時手数料がかかるのって。一応、販売会社が定める上限が2%とと記載されていますので、ネット証券さんにはがんばって、ノーロード扱いになることを期待したいです。
また、信託報酬は0.9%となるので決して安い方ではないですが、高すぎるわけでもなく絶妙な塩梅かと感じます。ここは運用パフォーマンスとの兼ね合いで、評価した方がよいですね。
どこで買える?
2019/11/15時点で、本ファンドの取扱があるのは下表のとおりです。マネックス証券のみ、iFreeレバレッジNASDAQ100の取扱いがないです。今後、ニーズが高まって来れば徐々に販売会社も増えてくるものと予想します。
販売会社(2019/11/15時点) | iFreeレバレッジ S&P500 | iFreeレバレッジ NASDAQ100 |
---|---|---|
SMBC日興証券 | ○ | ○ |
SBI証券 | ○ | ○ |
岡三オンライン証券 | ○ | ○ |
OKB証券 | ○ | ○ |
中国銀行 | ○ | ○ |
松井証券 |
○ | ○ |
マネックス証券 | ○ | - |
楽天証券 | ○ | ○ |
[出所:運用会社ホームページより]
レバレッジ型の特徴
本ファンドの特徴ですが、それぞれの目論見書によれば、
日々の基準価額の値動きがS&P500指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度となることをめざします。
日々の基準価額の値動きがNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度となることをめざします。
とあります。
私、レバレッジ型の特徴が最初はよくわからなかったのですけど、目論見書をよく読んで理解した内容をご紹介します。下表のような動き、特徴になります。
[ケースA]対象指数が10%下落・上昇を繰り返した場合
基準日 | 2日(下落率) | 3日(上昇率) | 4日(下落率) | 5日(上昇率) | 対基準日 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対象指数 | 100 | 90 | -10% | 99 | +10% | 89 | -10% | 98 | +10% | -2% |
レバレッジ2倍 | 100 | 80 | -20% | 96 | +20% | 77 | -20% | 92 | +20% | -8% |
前日に対しての対象指数の上昇率・下降率が2倍になっています。これを繰り返すと、5日目は基準日の値に対して、対象指数は-2%、レバレッジ2倍の方は-8%となっております。これは、2倍となっていません。時間経過とともに乖離が生じてきます。
[ケースB]対象指数が10%上昇し続けた場合
基準日 | 2日(上率率) | 3日(上率率) | 4日目(上昇率) | 5日目(上昇率) | 対基準日 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対象指数 | 100 | 110 | +10% | 121 | +10% | 133 | +10% | 146 | +10% | +46% |
レバレッジ2倍 | 100 | 120 | +20% | 144 | +20% | 173 | +20% | 207 | +20% | +107% |
前日に対しての対象指数の上昇率は2倍になっています。これを繰り返すと、5日目は基準日の値に対して、対象指数は+46%、レバレッジ2倍の方は+107%となっております。これは、2倍となっていません。時間経過とともに乖離が生じてきます。
「日々の基準価額の値動きが、対象指数の値動きの2倍程度となることをめざす」とは上記のような意味となります。あくまでも前日に対しての上昇率・下降率が2倍になるため、時間経過とともに基準日からは乖離が大きくなってくるものと思われます。
レバレッジS&P500パフォーマンス検証
続いて、「レバレッジS&P500」について詳しく調べてみました。
基準価額の騰落率(設定来)
設定来からの騰落率をグラフにしてみました。参考までに、iFreeS&P500とeMaxis slim全世界株式(除く日本)も記載しておきます。
やっぱ、レバレッジが効いているせいか、2018年末から2019年はじめは凄い下落率ですね。単純に指数の2倍となるわけでないので、下落し続けると対象指数と連動するファンドと比べて開きが激しくなりますね。
逆に、上昇に転じた時の追い上げも激しく、現時点では騰落率はプラスになっており、グラフの3つのファンドの中では、いちばん上昇してます。
積立投資のシミュレーション
積立投資で臨むと良いということでしたので、このファンドに積立投資した時に、(含み)損益額がどのように推移したかを計算してみました。なお、毎月積立と毎日積立の2つを計算してみました。
毎月積立
毎月1万円を、月末最終営業日の基準価額で約定したものとして計算しました。買付時に購入時手数料がかかるので、手数料を支払いも考慮してあります。この期間で、15万円を投じた場合の計算となります。
含み損の期間が長くつらい時期が長そうですが、購入時手数料を考慮しても最終的には、他を上回っています。ただ、損益のアップダウンが激しいので、保有期間中には心理的に結構プレッシャーがかかりそうですね。
毎日積立
今度は、総投資額15万円を289回に分けて、毎営業日で買い付けた場合のグラフを記載します。正直なところ、毎月積立とあまり変わらないように見えます。期間が1年程度だからでしょうか?もっと何年も過ぎれば、違った景色が見えてくるかもしれません。
ボラリティは高いけれど、ドルコスト平均法を使うことで、面白い使い方ができるかもしれませんね。
レバレッジNASDAQ100パフォーマンス検証
続いてNASDAQ100の方です。こちらは設定日が少し後になっていますので、運用期間がレバレッジS&P500より、約2ヶ月程度短いです。その点はご考慮ください。
基準価額の騰落率(設定来)
設定来からの騰落率です。今度は比較先として、iFree NEXT NASDAQ100とeMaxis slim全世界株式(除く日本)を同時に掲載してあります。
iFree NEXT NASDAQ100については以下の記事で詳しく紹介してあります。
基準価額の騰落率です。
NASDAQ100の方がパフォーマンスが良く見えますが、起点日が異なるのでご注意ください。ある程度相場が下落してからが、起点日となっているのでそのせいもあるかと思います。
こっちも、2018年末から19年初頭の下落はやっぱり激しいですね。上昇率は、この3つの中では、一番高くなっています。
積立シミュレーション
このファンドを積立投資した時に、(含み)損益額がどのように推移したかを計算してみました。なお、今回も毎月積立と毎日積立の2つを計算してみました。
毎月投資
毎月1万円を、月末最終営業日の基準価額で約定したものとして計算しました。買付時に購入時手数料がかかるので、手数料を支払いも考慮してあります。この期間で、13万円を投じた場合の計算となります。
損益はマイナス期間は割と少ないですね。レバレッジNASDAQ100は、NEXT NASDAQ100よりも、手数料を控除した場合でも上回っています。しかし、こちらのファンドも、損益のアップダウンが激しいですね。保有期間中に、この変動に耐えられるかが鍵となりそうです。
投資経験の浅い初心者の方だと、途中嫌気がさして売却ないしは、積立を止めてしまうかもしれません。このファンドへの積立投資は、忍耐が特に必要だと思われます。
毎日投資
今度は、総投資額13万円を257回に分けて、毎営業日で買い付けた場合のグラフを記載します。パッと見ですけど、毎月積立とあまり変わらないように見えます。やはり、期間が短いからでしょうか?このあたりは、今後の運用期間の継続をまって再検証しないといけないですね。
ハイテク株とか、新興株市場なので、S&P500より夢がありそう?!な印象です。ただ、その分ボラリティが高いのでしょうし、下落時の反動は凄いことになりそうな予感がします。悩ましいところですね。
個人的には、NASDAQ100の方に魅力を感じます。危険なものほど、惹かれてしまう性分なので。
一括投資してたら?
最後に、一括投資してたらどうなったか気になったので計算してみました。各ファンドを設定日に100万円購入してたら、(含み)損益額の推移はどうなったかを調べました。購入時手数料を支払った前提で計算してあります。どんな感じなるのでしょうか?
レバレッジS&P500を100万円
2018年8月31日に約定と仮定して計算したグラフです。
約40万円近くマイナスとなる時期があります。これはメンタル的にはつらい。含み損の期間が9か月近く続きています。でも、直近ではプラスに転じています。
積立投資の場合と違って、回復を待つ感じになるので、安く口数を買付できるとかの心理的な慰めがないので、メンタル的にはしんどいかもしれませんね。
上記の積立投資の時と含み益額にあまり差がないので、やっぱ積立で臨んだ方がよいかもしれないですね。
レバレッジNASDAQ100を100万円
2018年10月31日に約定と仮定して計算したグラフです。
起点がレバレッジS&P500と異なり、この時点である程度相場が下落していたので、レバレッジS&P500と単純な比較をしないようご注意ください。あくまでも、参考までに。
含み損益の変動が激しいですね。一括投資だと変動額が大きく見えるので、心理的にこちらもつらいかも。もちろん、一番下がったところで購入できていれば、違った景色が見えてくるのですが、底がわからないのが投資です。一括投資は勇気がいりますね。私には真似できない。
このファンドの使い方
このファンドをどう活用するかですが、購入する場合は、リンク先の記事で紹介されているように、積立投資で臨むのが良いかなと考えます。また、値動きの激しさには覚悟や忍耐が必要だと考えられます。
ただ、難しい内容のファンドなので、もちろん手を出さないという選択肢もあるかと思います。あくまでも、過去データの検証で将来のことはわからないので。正直なところ、判断が難しいです。
管理人個人は、面白そうなファンドだとは感じています。もし私がやるなら、一部資金を当てて、サテライト的にポートフォリオに加える方法をとると思います。もちろん、積立投資でです。通常のインデックス運用に、プラスアルファを狙えられるかもという期待感からです。
ちょっと気になるのは、リーマン級の大暴落の時にどうなるのか想像できない点かなと。レバレッジな分、どうなるのか見当もつかないっす。
まとめ
いかがでしたでしょうか?やや、マニアックな内容になってしまい、申し訳ないです。レバレッジ型は、値動きが激しいとか、基準点から乖離していくという特徴があります。しかし、リンク先の記事で紹介されているように、積立投資で臨むというのも、選択肢としてはありかなと思えました。
私個人としては、面白そうなので、ほんの少しだけ実験的にNASDAQ100の方をやってみようかな?なんて考えてます。ただ、リスクの高い商品ではありますので、付き合い方には注意が必要かと。
最後までお読みいただきありがとうございました。投資は自己責任でお願いします。
購入時手数料がなくなると素敵です
【2020年2月16日追記】
パフォーマンスを調べなおしました、こちらからどうぞ。
【iFreeレバレッジNASDAQ100】レバレッジ型インデックス投信ってどうなの? - かつおの庶民派投資ブログ